親子の受験ギャップ① いまの受験は 戦い方が違います
保護者の皆さん、突然ですが、「自分の大学受験の経験は、子どもにも通用するのだろうか?」
そんな迷いを感じたことはないでしょうか。
・一生懸命アドバイスしているのに、なぜか話がかみ合わない。
・塾や学校の説明を聞いても、入試の仕組みが昔よりずっと複雑になったと感じる。
・推薦や総合型選抜という言葉を耳にしても、正直なところよく分からない。
それは決して、保護者の方の理解が足りないからではありません!
実は今、大学受験そのものが、皆さんの頃とは大きく姿を変えているのです。
しかもその変化は、ゆっくりではなく、この十数年で一気に進みました。
だからこそ、真剣に子どもの将来を考えているご家庭ほど、「何が正しいのか分からない」という不安を抱えやすくなっています。
今回は、親世代と子世代の間に生まれている“受験ギャップ”をテーマに、全4章で整理していきます。
入試制度の変化、学習スタイルの違い、大学が求める力の変化、そしてそのギャップを秀門会ではどのように埋めていくのか、、、
順を追ってお伝えしていきます。
今回はその第1章として、「大学入試のルールがどのように変わったのか」という土台の部分からお話しします。
「うちの子の勉強法、このままで大丈夫なのだろうか?」
そんな疑問を感じたことがある方にこそ、ぜひ知っていただきたい内容です!
この記事を読むとわかること
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昔の大学受験と現代の大学受験の違い
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入試で求められる力がどう変わってきているのか
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なぜ親のアドバイスが子どもに届きにくくなっているのか
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これから受験を考えるうえで、まず知っておきたい前提とは何か
第1章
入試の戦略が変わった!?
「一般入試」神話の崩壊
現代の受験は親の時代と“別の戦略”が必要になっています
偏差値で志望校を決め、過去問を繰り返し、一発勝負(※国立大学の場合はセンター試験+二次試験)の学力試験で合否が決まる。
もちろん例外はありますが、ほとんどの保護者さまにとって、それが大学受験のイメージだったのではないでしょうか?
勉強量が点数に直結し、正しい解き方を身につければ結果が出る。
大学受験は「やり方を間違えなければ報われる世界」でした。
しかし、現代ではその前提が大きく変わっています。
現在の大学入試は、保護者の皆様が経験したものとは構造から別物になりつつあるのです。
私たちの頃は、それでが正解でした
まずお伝えしたいのは、「みなさんの受験方法が間違っていたわけではない!」ということです。
・偏差値を基準に志望校を決める
・一般入試に向けて学力を積み上げる
・入試対策として過去問を繰り返す。
これは当時の入試制度において、最も合理的な戦い方でした。
多くの受験生がこの方法で結果を出してきたはずです。
問題は「やり方」ではなく、
入試のルールそのものが変わったことなのです。
いま、入試の“入り口”が変わってきています
かつて大学入試の中心は「一般入試」でした。
学力試験で合否が決まる、シンプルで分かりやすい仕組みです。
しかし現代では、一般入試が中心であると必ずしも言えない時代になってきています。
一部の私立大学では、一般選抜で入学する学生の割合が半分を下回り、
残りの半数以上が「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」で入学しています。
また、文科省の「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」によると、
国立大学でも総合型選抜の入学者数が前年比(令和6年度と比較)で約1,700人増加し、
実施大学数も増えるなど、年々その比率が高まる傾向があります。
このように、入試の入り口が多様化している今、 「一般入試だけを見ていると、受験の選択肢を見落とす」時代になっています。
一般入試が悪いわけではありません。
ただし、一般入試“だけ”を前提に受験戦略を立てること自体がリスクになる可能性が高まっています。
まずは、この現状を知ることが、今の受験を正しく理解する大きな一歩です。
暗記すれば勝てる試験」は、もう終わり。
入試の中身も大きく変わりました。
象徴的なのが、センター試験から大学入学共通テストへの変化です。
かつては知識を正確に覚え、パターンに当てはめて解く力が重視されていました。
しかし今は違います。 英語は大量の文章を読み、情報を整理して判断する試験になりました。
数学や理科でも、日常場面を題材にした“初見の問題”が増えています。
問われているのは、 「知っているか」ではなく 「持っている知識を使って、その場で考えられるか」 という力です。
暗記はスタートラインであって、ゴールではなくなったのです。
なぜ、親のアドバイスが子どもに響かないのか
「もっと覚えなさい」 「演習量が足りない」
どちらも親世代の経験からすれば正しいアドバイスです。
実際、その方法で結果を出してきたからこそ、自然に出てくる言葉でもあります。
しかし今の入試では、その言葉が子どもに届きにくくなっています。
それは怠けているからではなく、 求められる力の方向が変わっているからです。
今の入試では、ただ覚えているだけでは点になりません(もちろん、一部には暗記でどうにかなる問題もありますが、、、)。
知識を「使って考える力」や「初めて見る問題に対応する力」が求められます。
つまり子どもたちは、 覚える前に「考えなければならない試験」と向き合っているのです。
親世代の成功体験は、当時の入試においてはとても優れた地図でした。
ですが今は、地形そのものが変わってしまいました。
同じ地図を手にしていても、たどり着き方が分からなくなってしまう。
それが、今家庭で起きているすれ違いの正体なのかもしれません。
それでも、不安になるのは当然です
入試が変わったと聞いても、 「じゃあ具体的に何をさせればいいのか分からない」 そう感じてしまうのは無理もありません。
自分が経験していない世界のルールで、 大切なわが子が勝負しようとしているのですから、不安になるのは自然なことです。
「これまでのやり方が通用しないかもしれない。 」
「でも、新しいやり方が正しいのかも分からない。」
その板挟みの中で悩むのは、 真剣に子どもの将来を考えている親だからこそ生まれる感情です。
大切なのは、昔のやり方を手放すことではなく、 そこに今の入試に合った視点を重ねていくこと。
親世代が持っている「努力の大切さ」や「基礎を固める力」は、今も変わらず受験の土台です。
その上に、今の時代に必要な力をどう積み上げていくか。
それを一緒に整理していくことが、これからの受験準備でいちばん大切なことなのです。
第1章のまとめ
かつての大学受験は、「一般入試で点数を取ること」が中心の世界でした。
努力の方向性が比較的シンプルで、親世代の成功体験がそのまま“正解ルート”として機能していた時代です。
しかし今は、入試の入り口も、中身も、大きく変わりました。
一般入試の比率は下がり、推薦や総合型選抜が広がり、学力試験の内容も「暗記中心」から「思考力中心」へとシフトしています。
つまり現在の受験は、親世代が戦ってきたルールとは違うルールで行われているということです。
それでも大切なことは変わっていません。
目標に向かって努力することの価値も、基礎学力の重要性も、今なお受験の土台です。
変わったのは「努力の中身」と「評価のされ方」。
だからこそ今は、昔のやり方を否定するのではなく、今のルールに合わせて戦い方をアップデートする視点が必要になっています。
次回は、「勉強のやり方」の話をしましょう
入試のルールが変われば、戦い方も変わります。
そしてその変化が最も表れているのが「勉強スタイル」です。
紙と鉛筆が当たり前だった親世代
タブレットやスマホを使いこなす子ども世代
この違いが、家庭内のすれ違いを生む大きな原因になっています。
次の章では 「紙の勉強は古いのか?デジタル学習は本当に正しいのか?」
このテーマを掘り下げていきます。



